まずは緊張の続く日常に、気を抜ける場を提供したい。
ここに行くだけで、行くことを考えるだけでも少し身体が楽になるような、そんな場所を作りたい。
そして最終的には、どこにも行かなくてもリラックスできるような女性が増えて欲しい。
私は以前定期的にリラクゼーションを受けていて大好きだったのですが、受けて楽になってもまた辛くなるから同じことの繰り返しで、受けることに何の価値があるのか分からないなと思ったことがありました。
そしてそこがスタートでした。
自分の感覚を取り戻す、
自分の体と、大袈裟かもしれないけれど人生の舵を取り戻す、工程の始まりでした。
人には本来治癒力があり、皮膚についた傷がふさがるように、今ある不調も回復へ向かおうとしています。
それなのに、肩は基本的にはずっと辛く定期的に悪化するもの、便秘はこういう体質だから仕方がない、何をやっても治らない、とわたしは固く信じていました。
体は得体の知れない容れ物で、勝手に具合が悪くなるもの。
自分にはどうしようもない。
でも体を使っているのは他の誰でもない、自分自身です。
体が辛い状態から少し楽になったら、
“自分で何とかしたい” を経て、“(自分の力で)体が変わってきた” “これからも良くなっていく” を実感できるように。
どこかに通わなくても何かに頼らなくても、これまで通り、でもこれまでよりもっと楽に、
今ある身体で人生を満喫できますように。
あなたが整体を受ける目的はなんでしょうか。
一時的に体が楽になる、それだけで今は充分という方もいるでしょう。
一時的に楽になってもまた辛くなって、繰り返すだけだと気づいた方は、チャンスです。
話しは少し逸れますが、ストレッチやヨガ、セルフマッサージをご家庭で気軽に楽しめるよう、沢山の書籍や動画がでています。体に不調があれば、その部分にいち早く対処して苦痛を消し去りたいというのは当然の願いですので、書籍や動画においても症状別・悩み別に作成されておりとても便利になりました。
そうなると、不調に対処できたとしてもその効果は一時的なもので「結局は治らないものだ」と改めて認識してしまう方も少なく無いでしょう。わたしもその一人でした。
まずお伝えしたいことは、何かしらの行動の成果が一時的なものだったとしてもガッカリする必要はありません。
また成果がみえなくても気にすることはありません。他に原因があるのです。
人は誰でも偏りを持っていて、そこに気付かない内は同じように偏ります。
その偏りの原因をどうやってみつけるのか。
肩こり1つとってみても、腕の疲労、眼精疲労、〇〇しなければという心持ち、不安、腰痛、冷え、どこからでも肩こりは起こります。
古い文献によれば、瘀血(おけつ:古くなって汚れた血)が上手く浄化できないことも、肩こりの原因だとあります。
普段は「ちょっと気になる」という程度の症状だったとしても、年月の経過とともに症状が強くでる方もいれば、いつの間にか症状が気にならなくなるという方もいます。その違いは何でしょう?
身体はパーツの寄せ集めではなく、色々なパーツを組み合わせたひとつのものです。
心と体もひとつです。
全ては繋がっているので、どこかに不調があれば他にも不具合が生じ、根本の不調が改善すれば他も自然と元気になります。
どこか1つ、いまある痛みだけをすぐに消したいといえば今の時代ならできてしまいますが、その痛みの発生元は放置されたまま。
何かの不調があるということは、これからをもっと生きやすくするためのチャンスでもあります。
大病をされた方の多くは、強制的に自分の体や生死に向き合わされたことで、その後の人生観がガラリと変わったと仰います。
身体には沢山の情報が埋まっています。
長年積み重なった疲労がどんな不具合を起こしているのか、そもそも疲労はどこからきたものなのか、
新たに始めた習慣は自分に合っているのか否か。
わたしが体から感じ取った情報の一部をご本人と共有すると、過去の出来事や日常の動き方にリンクすることは多いです。
お客さまと一緒に、おぉ!不思議ですね、なんて驚くのも正直なところ楽しみのひとつです。
身体が回復してくると、次第に体のことに気を取られる時間は減っていきます。
不調がある内は、「楽な体を維持するにはどれだけの苦労がいるのだろう」と考えてしまいますが、不思議なもので、そして今不調を抱えている人には信じられないかもしれませんが、ある症状に悩んでいたということすらいつか忘れてしまいます。
自分の体を何とかしたい(知りたい)と決意した時に、これまで長い年月をかけて偏りを蓄えてきた体と向き合う場合は、それなりに時間がかかるかもしれません。
回復に向かう時もあれば、何も変わっていないように感じることもあるでしょう。
そんな時こそご利用頂ければ嬉しいです。
10年前より今の方が楽。
それが当たり前な世の中になりますように。
ちなみに私は、20年前より今の方が楽、です。